2015年8月1日土曜日

「(株)サイベックコーポレーション」を見る

 平成27年7月30日金曜日は,平成27年度 型技術協会 第1回 新加工技術研究委員会で,長野県塩尻市にある 「(株)サイベックコーポレーション」 を見学しました.

「(株)サイベックコーポレーション」 は,鍛造と板金成形を組み合わせたオリジナルの超精密冷間鍛造順送プレス工法を開発し,従来の工法をプレスに置き換えることによって,高品質化およびコストダウンを実現している自動車部品に強い企業です.今回の委員会では,振動や温度変化の少ない加工環境を実現するために,2012年9月に地下11mに新設された 「超精密夢工場」 をはじめ,超高精度,超精密の加工を確立すべく開発された設備について学ぶことにいたしました.

 14時から始まった委員会では,まず,常務さんから会社の紹介をしていただきました.マツダSKY-Activeエンジンの部品 1個あたり:数千円⇒数百円,20分⇒3秒,2011年度技術開発賞.自動車用油圧アクチュエータの部品 1個あたり:数百円⇒数十円,2012年度原価賞.それでも,生産の90%を占めていた自動車関連の仕事の割合が75%になるなど,自動車以外の仕事を増やしつつあるようです.

 14時30分からは工場見学となりました.ISO50001(エネルギーマネジメントシステム)なるものが存在することを初めて知りました.「企業等で使用するエネルギーを管理し、継続的改善を図ることを目的とした国際規格」 とのことです.「持続的改善」 がポイントだと理解しました.まだ新しい規格ということで,国内では20社程度しか取得していないとのことでした.

「夢工場」,室温 23±0.3℃,湿度 45±5%,特に湿度の管理が大変みたいです.地上では43dBのものが19dBになった振動については,加工面に格段の差が出るなど一番の効果を感じているようです.牧野フライス製作所製のエグい超精密大型マシニングセンタ 「EG3010」.機上測定,テーブル平面度,ツインスピンドル,自動レベリング機能など,サイベック独自のこだわりが満載でした.地上階に設置してあったナガセインテグレックス製の超精密大型平面研削盤もスゴかった.要求する側と作る側,どちらもスゴイ!

 生産工場では,大小様々なプレス機械を大量に導入し,自社開発した 「CFP(Cold Forging Progressive)」 などの生産システムを用いて,様々な部品を量産していました.金型屋も,生産そのものに関わらなければならない時代なのです.

 18時からの技術交流会(懇親会)では,地元塩尻市にあるワイナリーの甘口赤と辛口白を一杯ずついただきました.赤はぶどうを実感できるほど本当にフルーティで,大変な美味でした.なんでも,夏の販売であっという間に売り切れてしまうという貴重なワインなのだそうです.お店も,本当にアットホームなダイニングバーで 「◎(ニジュウマル)」 でした.塩尻,いいところですね.是非,再訪したいと思います.

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