2013年11月16日土曜日

実用段階にある5軸制御工作機械

 2013年11月15日(金)付日刊工業新聞 第2部 「工作機械産業」 特集の 4-5頁に,私が寄稿した「これからの多軸・複合加工のためのソフトウェア技術」 が掲載されました.冒頭の部分は,久々の書き下ろしなので,少し紹介したいと思います.

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  5軸制御工作機械は、航空・宇宙産業に利用される部品のように、形状が複雑で耐久性が要求される高付加価値製品が1回の段取りで加工できるなど、高い生産性を持つ工作機械として注目されてきた。当初は、機械としての剛性の低さ、運動速度の限界、CAMソフトウェアの不備などの、ハードウェアおよびソフトウェアの双方に起因する数多くの問題が指摘され、「5軸制御工作機械は、ユーザーの期待に応えることが出来ない」 という雰囲気が蔓延するようになり、日本国内への普及は、他国と比較して大幅に遅れた。

 しかしながら、5軸制御加工が日本の製造業に浸透しなかったことについては、精度や速度に対して過度な期待をしていたユーザーにも問題があったのではないだろうか。回転2軸が加わった5軸制御工作機械に対して、3軸制御のものと同等の精度や速度を求めるのは間違いである。駆動軸を増やすことによって高まった自由度を生かし、3軸制御では不可能な加工や自動化に取り組むことが、5軸制御工作機械を導入する正しい目的である。

 生産拠点の海外移転に伴い、日本国内における機械加工は、量産から試作を対象としたものへと急速にシフトしている。高機能な金型による成形が減少し、切削による生産の割合が増加する中、ユーザー独自の創意工夫によって、製品もしくは加工の高付加価値化を実現出来るという5軸制御加工の利点が、正しく認識されるようになってきた。現在では、長い普及段階を終えて、ようやく実用段階にあるといえる
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 うーん.相変わらず,暑苦しい文章ですなー(笑) 続きの専門的な内容については,紙面をご覧ください.

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