2012年5月25日金曜日

システム制御情報学会 SFA研究分科会 第7回研究例会

に参加するために,今日は大阪府堺市にある 新日本工機(株)信太山工場に行って来ました.この研究会は,精密工学会の総合生産システム専門委員会と共催になりました.私は,工作機械に関係する研究をしているため,これまでの多くの工作機械メーカーの工場を見学する機会がありましたが,新日本工機は訪れたことがなかったので,今回の研究会は楽しみにしていました.

 新日本工機は,大型の門型マシニングセンタの製造で有名な会社です.また,産業機械関連として,日本の缶・チューブなどの容器の30%を生産している兄弟会社で使う製缶機械を製造しています.さらに,鉄工関連として,遠心鋳鋼管の製造などもしており,東京スカイツイリーの部品としても納品しているそうです.

 わざわざ大阪郊外まで出張してきた動機として,工場を見てみたいということもありましたが,「日本の工作機械の発展要因の1つとその呪縛-近未来NCのための加減速」 という題目で案内されていた講演内容に対する興味もありました.

 日本の工作機械の発展の要因は,NC装置と電気油圧パルスモーター,そして,「補間後加減速」 です.当初,指令送り速度でいきなり動かそうとすると機械にショックが生じ,加工に不具合が生じるだけでなく,最悪,機械が壊れてしまうこともあったそうです.そこで日本の工作機械メーカーは,自動で加減速処理を行う機能を付加することにより,日本の工作機械の特徴である 「しなやかで強靭な動き」 を実現しました.しかし,私が研究対象としている5軸制御工作機械は,速度,精度ともに,ドイツ製のNC装置を搭載した工作機械の後塵を拝しています.その原因は,「補間後加減速の副作用」 にあるのです.

 今年の1月に開催された型技術セミナーでも,同じような主張を聴く機会がありました⇒「m-shige's log: 型技術セミナーと研究室公開」.日本のNCメーカーに対するユーザーの怒りは,どうやら本物のようです.なんだか,ワクワクしますね.

 新日本工機は,この副作用を予防し,補間後加減速のフィルター効果を最大限に生かすべく,独自の 「近未来加減速」 を提言するそうです.今年の11月に開催が予定されているJIMTOF2012では,新日本工機の 「補間前加減速フィルター」 に注目です.

 最後に,門形マシニングセンタの製造現場を見学しました.当たり前のことですが,大きな工作機械の部品を加工する工作機械は,やはり大きいです.使われている工作機械のほとんどが,自社製の門形マシニングセンタでした.きさげを機械加工で行う「ミラーサーフ仕上げ」は,大型工作機械の生産では有用でしょう.主要な要素部品であるボールスクリューが品薄な状態が続いているため,これを内製化して納期の安定化を図っていました.なによりも,工場がキレイなことに驚きました.この会社は,ええ会社や.大阪での就職を希望する学生はんは,要チェックや!(笑)

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